ISSUE SPECIAL

ISSUE SPECIAL "INTERVIEW #05"

2017.03.10

ヴィジュアルコーディネーター / ヴィジュアルマーチャンダイザー
田中菜穂

「やることはすべて新しい事だらけ。
 不安だけど、レイアウトが出来た時の達成感や喜びは大きい」

田中菜穂さんは、販売スタッフ・店長としてのキャリアを経て昨Visual Coordinater(以下VC) / Visual Marchandiser(以下VMD)に抜擢された。ドゥーズィエム クラス全店舗を任されており、現在は横浜店のリニューアルを目前に設計図面を手に日々奮闘している。
お仕事は、実際どんなことをするのだろう?店のディスプレイ、マネキンのコーディネート...どうやらそれだけではないようだ。全店舗のイメージをコントロールする立場としては、不安も多いようで「気になった事は満足がいくまで何度もやるようにしている。正解のない仕事なので」。
表現したい世界観を求めて常に勉強し、何度もやり直しながら前に進んでいく。ブランドの顔である店舗のディスプレイは、そんな彼女の絶え間ない努力から生まれている。

--VCというお仕事は普段どんなことをしているんですか?

お店全店のレイアウトを考えたり、ブログのスケジュールを組んでスタイリングを決めたりしています。

--ブログとは、お店のスタッフがコーディネートを見せるブログですか?

はい。ブログでスタッフが着るアイテムを指定して、コーディネートを考えています。週ごとにアイテムをピックアップして似合いそうなモデルを選んで、最終確認します。

--お店のスタッフが自由に着こなしをしているのかと思っていました。きちんと裏でコーディネートを決めているんですね。

はい。信頼できるスタッフにはコーディネートは任せていますが、見せるべきアイテムはVMDが決めて最終確認しています。

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--レイアウトはどのように作るんですか?

商品構成をテーマに合わせて行ないます。ラックの中でスタイリングが組めるようになっているので、シーズンテーマや女性像をイメージしながら商品構成を考えてレイアウト替えをしています。

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--商品についての知識をしっかりと持っていないといけないですよね?

バイヤーやデザイナーの「この商品はこう見せたい」という意見をよく聞くようにしています。

--どのくらいの頻度でレイアウトチェンジをしていますか?

大きく変えるのは月に1~2回。ほかの仕事の量にもよりますが、なかなかお店に行けないので写真を見ながらショップと電話でやり取りしてレイアウト変更をしていることも多いです。都内、地方の全13店舗を担当しています。出張は半年に2回ほど、ほかの都市の店を見に行っています。

--地方のお店はどこにありますか?

名古屋・心斎橋・大阪・あべの・神戸・福岡。地方店のスタッフに会えるのが嬉しいのと、おいしいものが多い街ばかりなので、行った時は食べ物も楽しみの一つです(笑)。

--田中さんはもともとお店のスタッフだったんですよね。

はい、二子玉川にいました。入社からずっと二子玉川店でした。販売スタッフをしてから店長になり、VCを経てVC兼VMDになりました。

--VCとVMDとは?

VC(ビジュアルコーディネーター)といって、店舗のレイアウトを任されているお仕事です。まずはVCとして1つのお店の見せ方を学び、今は全店の責任者として動いています。VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)になってからの方が、ウェブのスタイリングなど販促に関わらせてもらえるなど、仕事の幅が広がりました。

--VMDになって楽しいですか?

すごく楽しいです。大変なところも沢山あるんですけど(笑)。ショップ勤務の時は二子玉川の1店舗にしかいなかった。それが今では、色々な店舗のスタッフやバイヤー、MD、デザイナー更には他部署の方とも接点ができ、それが仕事に結びついていることもやりがいがあります。
店舗にいる時から、新しく入って来たスタッフを改造するのが大好きだったんです。前に自分がアドバイスしたことを聞いてくれて変わって行く姿を見られるのは醍醐味ですね。「あ、メイク変わったかな」とか!

--そして、お仕事をしていて難しいこととは?

店長経験が長かったので、VMDになってからはやること全てが新しい事だらけ。不安だけど、出来た時の達成感や喜びは大きいです。

楽しいですけど、いつも不安なんです。自分は半人前なので、もっと頑張らなくちゃと。気になった事は満足がいくまで何度もやるようにしていますが、正解がない仕事なのでエンドレスです。

--ディスプレイが売上げに即直結しているわけではないですからね。

数学みたいに簡単に答えがでない仕事なので、それを突き詰めたりするのが大変ですがその分面白いのかなとも思います。素敵なレイアウトやコーディネートが出来たと満足しても、実際に売れているのかな、どうかなと気になります。

--でも、ブログを見て買うというお客さんは多いんじゃないですか?

ブログは見てくれる人が多いので、気合いを入れてやっています。月60万アクセスくらいあるので、気が抜けません。「ブログのコーディネートを見て来てくれた人がいました」とお店の子から言われたり、コーディネートそのまま買っていただけたという話しを聞いたりすると、嬉しいですね。

店長になってから初めてディスプレイをやるようになったんです。管理職につく前はレイアウトは何もやっていなかったので、店長になって何も分からない状態で始めたんです。分からなくて出来なくて、当時はお店で泣いていました。その時今の上司に「田中さんのお店なんだから田中さんの好きなようにやっていいんだよ」と言われて、気持ちがふっきれて楽しむことが出来るようになりました。

--不安な時はどうしますか?どうやってアイデアを蓄えていますか?

ラックを作るときには、スタイリングが組めないとラックが作れないので海外スナップなどを見て「ああこういう雰囲気の子がこういう着こなしするんだな」と、コーディネートのアイデアを練っています。あとは入荷したブランドのインスタグラムなどを見て、見せ方のイメージを膨らませる練習はしています。

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--学校では何を専攻していましたか?

高校と短大は美術専門の学校に行っていました。油絵、日本画、彫刻など一通り学びました。高校時代の専攻は立体で、短大では染色と織物でした。
そういえば高校時代に立体デザインをやっていた時、漠然とディスプレイの仕事をしたいと思っていました。でも、無理!って諦めた事がありました。

--でも、その願いが叶っていますね。洋服は昔から好きだったんですか?

洋服はずっと好きでした。でもミーハーなので、その時々であっちこっち寄り道して今でも時々失敗します。素敵な人を見たりビジュアルを見たりすると、もし自分だったらどう着こなすか、など妄想を膨らませます。素敵になりたいといつも思っているんです。ミーハーなんですよね。

--最近はショップのリニューアルに向けて忙しいそうですね?

横浜ルミネのショップのリニューアルです。何も無い図面から、壁をどこにするかとかそんな段階から関わらせてもらっています。

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--お店のプランニングとなると大勢の人が関わるのでは?

店舗設計、ディレクター、コンセプターなどと一緒に進めています。

--設計段階でVMDとしてはどんな意見を言うんですか?

分からないので最初は何も言えなかったんです。プロジェクトに関わっている方がベテランばかりなので。でも唯一お店にいた自分だからこそ分かる、カウンターの配置や鏡の場所など、接客していないとわからない事から少しずつ意見を出せるようになってきました。お店にいた経験がないと分からない事も多いんです。例えばストックルームのことも、色々なお店のことを思い出しながらベストなストックルームがどんなものなのか、それを伝えています。

--オープンが楽しみですね。

どのように形になるのか楽しみです。どういう意図でこの位置に壁があって、ミラーはこの位置など、全て細かい計算をされて作られているので、実際に形になってそこに洋服が入ったらどう見えるんだろうと。楽しみだし、成功させたいなと思っています。

横浜店は、3月4日(土)にリニューアルオープンいたしました。
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